青春・恋愛 - 風来の森日記 -

風来の森日記

本の紹介、自作ゲームの制作日記

 
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明日の空

明日の空
貫井徳郎 著

貫井さんにはめずらしく青春小説です。

アメリカ育ちの栄美が日本の高校に通うところから物語がはじまります。
心配をよそに、すぐに友達もでき、クラスの秀才、飛鳥部からデートにさそわれ、順風満帆な日本の生活が始まります。
やがて飛鳥部に恋心を抱くようになりますが、クロウと渾名される小金井というクラスの仲間外れの存在を知り、ある時、彼の奇妙な行動を目撃してから、彼女の身の周りで不審な出来事がおこりはじめます。

2章から然話が変わり、ある大学生と、心やさしい黒人アンディの青春物語がはじまります。
なぜこんな話が・・・・と思っていたらなんと!!

最終章で再び栄美が登場します。
はれて大学生となった栄美を、事あるごとに守ってくれる山崎という謎の男。
山崎から真実をきいた栄美は、高校時代におこった不可思議な出来事の意味をしります。

ちょっと切ない気持にもなる、叙述トリック青春ミステリです。



テーマ : 読んだ本。    ジャンル : 本・雑誌

月のしずく

月のしずく
浅田次郎 著

 ちょっともの悲しくも、なぜか優しい気持ちになる恋のお話。
不器用な男女の情愛を描いた7話からなる短編集です。



 こんなに切なく、そして癒された本は初めて。泣きました。
「蒼天の昴」も「壬生義士伝」も泣きましたけど、これは優しい気持ちになります。
 語りがうまいです。
1話目の月のしずくは、のっけから引き込まれてしまいました。みんな痛いくらいに不器用で優しいんですよね。おすすめの逸品です。
 

テーマ : オススメの本の紹介    ジャンル : 本・雑誌

文学少女と飢え渇く幽霊

文学少女と飢え渇く幽霊
野村美月

シリーズの二巻目です。
前作で「続きがでればいいな〜」なんて書いちゃいましたが、たくさん出てました。
一巻に一つ事件を解決していく読みきり小説っぽく作ってありますが、主要キャラの過去など、隠された秘密は全巻とおして、少しずつ明らかになっていくので、二巻目まで読みますと、そちらのほうが気になって、もうやめられなくなります。

かつて井上ミウという筆名で小説を書いていた心葉少年と、彼が所属する文芸部の部長にして本を食べる自称「文学少女」の天野遠子が学園で探偵の真似事をするわけですが、今回は恋の悩み相談をうけるために遠子が設置したポストに、奇妙な手紙が入っていたところから本編に入っていきます。
その手紙は「42、43、7、14」といったふうに、数字がならんでいるだけのものです。

いかにもミステリ小説っぽいでだしだったのですが、意外に大人の憎愛劇で、サスペンスの色合いが強い感じです。もちろん題名からしてホラー要素もたくさんあるわけですが。
本作品はイギリスの女流作家エミリーブロンテの「嵐が丘」をモチーフにしています。
いろいろな出来事や状況を、遠子が世界の名作文学にたとえて語るところが魅力の一つです。

テーマ : オススメの本の紹介    ジャンル : 本・雑誌

きみの友達

きみの友達
重松清 著

友達とのじゃれあいの中で、足に後遺症が残るほどの大けがを負った恵美は、見舞いに来る友達や家族に当たり散らします。
次第にクラスメイトから不満を抱かれるようになり、孤立していきます。
恵美とは別に、病弱で物静かな由香もまた、みんなの輪の中からは外れたところにいました。
そんな由香に、恵美は興味は抱くようになりますが、常に弱気で周囲を気遣ってばかりいる由香に、恵美は苛立ちを覚え、自分の怪我の原因が由香にあると言いがかりをつけ、由香を責めます。
家に帰り、ふいに涙がとまらなくなった恵美でしたが、どうしても由香に謝ることができません。
二人は本当の友達になれるのでしょうか。

このほか、恵美の周囲の人物を主人公として、その友達との関係が、短編形式でいくつか語られていますが、どの話にも恵美が少し関わりをもちます。
全体としては、「良い話」なのかもしれませんが、重松さんらしい・・・というか、読むのがつらくなるようなイジメの話もあり、毎度のことながら、どうしてこうもイヤな人間が多いのか・・・と、少しうんざりするほどです。
大した理由もなく、突然、波に飲み込まれるようにイジメへと発展していく様子が、なんだかとてもリアルで、人間不信になりそうです。
これらの話は、「ある人物」の視点から描かれていますが、それはいったい誰なんでしょう?

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