人生・人間ドラマ・人情 - 風来の森日記 -

風来の森日記

本の紹介、自作ゲームの制作日記

 
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ぼくのメジャースプーン

ぼくのメジャースプーン
辻村深月 著

児童書かと思いきや、けっこう重たい内容になっています。
主人公は、ある特殊な能力を持った小学4年生の男の子です。
その能力とは、他人に二つの条件を提示して、必ずどちらかを実行させる事ができる呪いのようなもので、この力を使えば、相手を死に追いやることも可能です。
一族の中で、ごく稀にその力を持ったものが生まれることを母親から告げられ、力を使うことを固く禁止されます。

そんなある日、学校で飼っていたウサギが、一人の大学生の手によって惨殺され、第一発見者となった幼馴染の「ふみちゃん」は、あまりのショックから心を閉ざしてしまいます。
犯人は逮捕されたものの、悔悛の情が見られらない犯人に対し、主人公は激しい憤りを覚えます。

能力を使って、犯人にどんな罰を与えるのか・・・という漫画っぽい設定の小説なのですが、ここからがなかなか深い話になっていきます。

主人公の能力を危惧する母親は、同じ能力を持った親戚の秋山を紹介します。
そこで能力の詳しい説明を受けた主人公は、秋山と「命」や「罪の重さ」について、さまざまな事を話しあいます。
そのうえで、犯人に与える罰を自分で決めることになるのですが・・・。


一緒に考え、苦しみ、思わず泣いてしまう小説です。
読んでください。
そしてこれを読んだら「名前探しの放課後」も読んでください。

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リアルワールド

リアルワールド
桐野夏生 著

母親を殺してしまった少年に携帯電話を盗まれてしまった、ある女子高生とその友達数名は、メディアを賑わせている逃亡中の少年に興味を抱き、携帯電話での接触を試みます。
やがて少年の逃走を幇助したり、また行動を共にする者まであらわれ、彼らの思考は、大人にはとうてい理解できない世界へと入り込んでいきます。少年と数名の女子高生を通して、子供達の心の闇を暴き出します。





 

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ぼくとひかりと園庭で

ぼくとひかりと園庭で
石田衣良 著
長野順子 画

主人公の新村あさひが通う幼稚園に、ひかりちゃんという、とてもかわりい女の子が転入してきます。
あさひの友達のみずきくんは、ひかりちゃんに一目ぼれです。
もちろん、あさひも同じです。
おとまり保育の夜、それは起こりました。
周囲の時がとまり、起きているのはあさひとひかりちゃんだけです。
二人は園庭でとても不思議な体験をすることになります。


とてもきれいで、やさしい絵が挿入されていますが、中身は少々残酷かもしれません。
時間がとまった夜、いつのまにか心も体も成長した二人の前に、園丁が現れます。
園丁は二人に試練をあたえます。
彼らが18歳になったときに起こる、ある惨劇の様子を見せ、それを回避したければ、二人にある選択をするように迫ります。それは、ひと夜のうちに成長し、お互いの想いに気付いた二人にとっては、あまりに残酷な選択でした。
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作者は「子供のために書いてみたい」と思って書いたようですが・・・・なかなかどうして、十分すぎるほど大人向けです。

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逃避行

逃避行
篠田節子 著

妙子の愛犬のポポが、隣家の子供をかみ殺してしまいます。
度重なるイタズラを受けての出来事だったとはいえ、連日マスコミに騒ぎたてられ、殺処分を望む世論の声に、妙子の家族はポポを見放します。
このままではポポが殺されてしまう。そう考えた妙子は、とうとうポポを連れて逃亡を図ります。

なんとも痛々しい話です。
途中、親切なトラック運転手に助けられ、一波乱あった末に、ついには人里離れたところに家を借りて、ポポとの生活をはじめます。

ごく普通の主婦が、過酷な環境での生活に苦戦する一方で、ポポは生きるためにたくましく成長し、その変貌ぶりに妙子は戸惑います。
そして短い逃亡生活の中で、必死に生き、そして老いていきます。
生きること、老いることを深く考えさせられた小説です。
お勧めの逸品です。

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戦いいまだ終らず

戦いいまだ終らず
落合信彦 著

満州で敗戦を迎え、その後捕虜としてシベリアで強制労働を強いられた大宝米蔵は、帰国後日本一の経営者となるべく奮闘する。


米蔵は、敗戦後の過酷な状況下で培った経験とカンを生かし、着実に会社を大きくしていきます。
その実績をかわれ、破綻寸前の企業の再生を頼まれますがが、長い間ぬるま湯につかった従業員や組合の幹部達が立ちふさがり、危機的状況に追い詰められます。

前半は満州での敗戦経験やシベリアでの強制労働の様子が描かれ、後半に会社を大きくしていく様子、そして様々な危機やそれを乗り越えていく様子が描かれています。起業後の話がメインなのかもしれませんが、それなりの歳月の出来事が凝縮されて描かれているので、もっとじっくり米蔵が奮闘する様子を見たかったような気がします。何巻かにわけても良かったんじゃないかな〜と、ちょっともったいない気がします。
この手の話は、経済の専門用語を連発してるだけのイヤミな作品が多いと思ってましたが、そういうものは一切ありません。時代設定が昭和のオイルショック前後だからかもしれませんが、ほどよく論理的な面を含みながらも、勘とか情とか、わりと人間くさい部分を前面にして会社を大きくしていくので、かなり痛快な話になっています。おすすめの逸品です。

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