ミステリ - 風来の森日記 -

風来の森日記

本の紹介、自作ゲームの制作日記

 
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黒衣の女

黒衣の女
折原一 著

記憶を亡くした女。
心当たりのない大金を所持し、アドレス帳には三人の男の名前が記されていた。
自分はいったい何者なのか?
女はアドレス帳に書かれた男たちに接触を試みようとするが、彼らはすでに殺されていた。

これもまた少し難解な叙述トリックで、どこが始まりで、どの描写が誰のくだりなのか、よくわからなくなり、混乱します。
最後に真相について解説するくだりがあるのですが、これを読んでも理解するのは難しいかもしれません。
記憶をなくした女が探偵社の世話になるのですが、この人たちがやけに個性があるわりに、あまり本編にかかわりを持たないので、彼らを主人公にした話があるんじゃないかと思って探しましたが、わかりませんでした。あったら読んでみたいな。

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虚夢

虚夢
薬丸岳 著


江戸川乱歩賞「天使のナイフ」の作者が取り上げたテーマは、「刑法三十九条」です。
心身喪失者の行為は、これを罰しない。
心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。
「天使のナイフ」は少年法の是非を問う、とても重い小説でしたが、こちらも同じように考えさせられる内容になっています。

主人公三上のもとに離婚した妻から電話がかかってきます。
三上は、かつて通り魔に愛娘を殺害され、妻の佐和子も重傷を負わされました。それが原因となり二人は離婚し、佐和子は他の男性と結婚していました。
その妻からの突然の電話は、なんとかつて娘を殺した犯人、藤崎を見かけたというものでした。
藤崎は当時心神喪失状態であったと判断され、不起訴処分になっていたのです。

藤崎の出現以来、佐和子の様子は日に日におかしくなっていきます。
藤崎が自分をつけ狙っているとわめくようになったり、ぬいぐるみを娘だと言い張ったり、佐和子の現在の夫である坂本はその異常な様子に恐怖します。


ここにもう一人、風俗店で働く「ゆき」と名乗る女性が藤崎とかかわりを持つようになり、この女性が客とトラブルになったことから、話が急展開することになります。

法律を逆手に取った復讐劇という、娯楽的な面白さはあるものの、それだけでは終わらない重い内容での小説でした。

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夏休みの拡大図

夏休みの拡大図
小島達矢 著

宮崎百合香と新巻ちとせは、幼いころから高校卒業までの時間を、同じ学校で過ごした親友の間柄です。
それぞれ違う大学へ進んだ二人でしたが、就職が決まったちとせの引っ越しを手伝うことになった百合香は、散乱する大量の物を前にして、どうしても確認しておかなければならないことがありました。
引っ越しの助っ人に、奇人変人と言われた木嶋はじめを迎えて、引っ越し業者がくる夜までの間に、青春時代に置き忘れた謎を解きあかすことができのでしょうか。

ミステリ仕立てではありますが、青春の香りが漂う恋愛小説のようでもあります。
話の組み立てて方が実に巧みで、幼いころから抱いてきた百合香の数々の疑問に対し、長い年月を経て大人になった今だからこそ言える真実として、名探偵のちとせが謎を解明していきます。
そして、百合香がどうしても確認しておきたかった疑惑。それは高校時代に想いを伝えることができなかった相手、柳井ひろきの第二ボタンを、百合香の気持ちを知りながらも、ちとせがそれを手にしたであろう裏切の理由です。
引っ越し作業のなか、しきりに本棚から百合香を遠ざけようとするちとせ。そこには何がかくされているのでしょうか?

少しほろ苦さを感じながらも、すがすがしさを覚える傑作青春ミステリです。

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歴史の闇研究会

歴史の闇研究会
神村友樹 著

大学一年生の主人公、神宮飛鳥は、成り行きで歴史の闇研究会というサークルに参加することになります。
会長の長倉愛美、探偵気取りの緒方駿とともに、とある文献をたよりに、小笠原諸島の零島にて、旧日本軍の兵器開発に関する調査をすることになるのですが、島にはすでに資源調査のための研究グループがおり、彼らと行動をともにすることになります。
そんな中、殺人事件が発生し、やがて連続殺人事件へと発展していきます。

ミステリ小説になるのでしょうが、文献をたよりに島の洞窟を探索し、数々のトラップによって命の危険にさらされる様子は、さながら冒険小説のようでもあります。
主人公飛鳥のもつ霊感と、緒方の推理力によって事件を解決していく、ちょっとかわった青春ミステリです。



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屋上ミサイル

屋上ミサイル
山下貴光 著


美術の課題のために屋上でスケッチをしようと考えたアカネは、そこで不良の国重や、恋の願掛けのために言葉を話さない沢木と出会います。
さらに自殺願望をもつ平原が現れ、4人は、屋上の平和を守るために屋上部を結成します。
ところが、銃を拾ったり、ストーカーに間違われたり、挙句の果てに殺し屋に狙われたりと、なぜか彼らの周囲では次々に事件がおこります。

アメリカ大統領がテロリストによって人質にされ、同盟国である日本にミサイルが発射されるかもしれないという混沌とした状況の中で、屋上部4人が遭遇するいくつかの事件は、やがて一つにつながっていきます。
登場人物も個性豊かで、シナリオも実に巧妙に練られています。
お勧めのミステリ小説です。



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