江戸川乱歩賞作品 - 風来の森日記 -

風来の森日記

本の紹介、自作ゲームの制作日記

 
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脳男

脳男
首藤瓜於 著
第46回江戸川乱歩賞受賞作

連続爆破事件の犯人の一人を逮捕したが、彼は鈴木という偽名を名乗り、その他の事はいっさいしゃべろうとしない。彼の様子に違和感を覚えた精神科医の真梨子は、彼の生い立ちを調べ始めはじめるが、そこには驚くべき真実が・・・。
 

 この小説には、爆破事件解決に執念を燃やす熱血警部がでてきますが、話の核が事件解決のための捜査というよりは、鈴木の過去を調べていく部分にあるような気がするので、もしかしたら精神科医の女医さんが主人公なのかな?でもそれにしては個性的な警部さんなので、まだまだ他の話に登場しても不思議じゃありません。他の本もチェックしたくなります。

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顔に降りかかる雨

顔に降りかかる雨
桐野夏生 著
第39回江戸川乱歩賞受賞

 友人のノンフィクションライター宇佐川耀子が失踪したと、彼女の恋人、成瀬から聞かされます。
 耀子は、成瀬が「ヤバイ筋」から借りていた金と共に姿を消し、彼女が最後に電話をかけた主人公の村野は、共犯の疑いをかけられます。
 耀子を信じつつも、自らの疑いを晴らさざるを得なくなった村野は、成瀬と共に、耀子の行方を追いますが・・・・。

 虚栄心に満ちた女、耀子の単なる持ち逃げを思わせる材料を次々に出しておいて、身近な人間の裏切り、怪しい死体の解体ショー、そしてネオナチまで、次々に不気味な背景が明らかになっていきます。彼女が書いていたノンフィクションが、どう事件と結びつくのか、最後の最後まで驚きの連続です。


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テロリストのパラソル

テロリストのパラソル
藤原伊織 著
第41回江戸川乱歩賞受賞作


新宿中央公園で爆破事件が発生し、50人以上の死傷者を出す。
被害者の中に警察官と、かつて左翼活動家として爆破事件を起こした桑野の遺体も発見されたことから、テロという見方が強まる。
主人公は、偶然現場に居合わせ、凄惨な現場を目撃することとなるが、桑野とは友人関係にあり、かつての活動仲間ったこともあり、その線から警察に追われることに。


主人公の学生時代の話がでてきます。全共闘とか、とにかくアツイ時代の話で、主人公が桑野との思い出を語っているのですが、なんだかとても青春しちゃってます。著者が東大卒なだけに、なんだか一番思い入れがありそうな気がします。
国家権力に対する反発か?それとも無差別テロか?なんて思っていると、暴力団の影が見え隠れし、さらには二部上場企業、クスリなど色々なものが絡み合って複雑化していきます。
そんな中、インテリやくざの浅井という男が事件に興味を持ち、なにかと主人公に協力してくれます。このあたり、シブイ中年男どもの友情が、やけにカッコよく描かれています。
出てくる人がことごとくある一点でつながっていて、その糸を手繰った先に、とんでもない結末がまっています。
いわゆるハードボイルドですね。
かっこよくて面白い小説です。


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滅びのモノクローム

滅びのモノクローム
三浦明博 著
第48回江戸川乱歩賞受賞作

 骨董品市で偶然手に入れたフィルムは、過去の忌まわしい歴史を暴くものだった。そうとは知らず、朽ちかけた古いフィルムの映像を復元させようとする主人公に、魔の手が迫る。

 事件が起こるのは中盤になってからで、それまでは、フィルムを手に入れ、映像を復元させるまでの様子が事細かく描かれています。宝探しでもしてるようで、ドキドキします。

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花園の迷宮

花園の迷宮
山崎洋子 著

第三十二回江戸川乱歩賞受賞作品

 昭和初期の楼(遊女屋)を舞台にした連続殺人事件です。
 遊女屋という狭い空間の中でおこる事件でありながら、一方で満州国独立を唱える左翼組織の存在が見え隠れし、事件を複雑にしていきます。
 家族の生活のために楼に売られた少女が、客と心中したとされる友人の死に疑問を持ち、雑用係の青年と事件を調べ始めます。
 楼の主人の自殺、残された妻に替わり店の実権を握る女、秀才とうたわれながらも酒におぼれる長男、発狂して自殺した女郎と、死んだ女郎によく似た主人公の少女。なんとも怪しい要素が満載ですが、昭和初期という時代背景にあって、今ほど科学的な捜査が望めない中、改めて謎解きするほどの緻密な犯罪を組み立てられるのか疑問でした。しかし、そこは遊女屋という特異な環境を舞台にすることで、脱走不可の状態を作り上げ、多くの遊女や客による衆人環視の中で、半密室状態の犯罪を見事に成立させています。
 暗躍する左翼組織と、彼らの活動資金7万円(当時は億の価値)の存在が、事件をより複雑化し、最後の最後で驚愕のどんでん返しが待っています。

 

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