おすすめ本の紹介 - 風来の森日記 -

風来の森日記

本の紹介、自作ゲームの制作日記

 
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きりこについて

きりこについて
西加奈子 著

きりこはブス。
くしゃみをした後のような顔。
目元には暗い影が入り、小さな目は埋没して、ほとんど見えないし、鼻はアフリカ大陸がなんらかの天変地異により爆発したような有様、唇は、難解な歯が幅をきかせおり、爆撃後の街のようになっている。
それほどのブス。
ところが、両親は彼女を心の底から可愛いと思っており、周囲の大人は同情から本音をいえず、そんな環境の中でそだったきりこは、自分の可愛さをみじんも疑うことはなかった。
学校ではリーダーで、同級生達も、なにかに酔ったように、きりこの王座に疑問を持つことはなかった。

そんな勘違いの幼少期から一転、、皮肉にも好きな相手から「ブス」と言われたことがきっかけとなり、みんなの
酔いはさめ、自分のどこがブスなのだろうかと真剣に悩む思春期へと突入。
周囲からすっかりブス扱いされ、ようやく自分がブスだと気づき、ひきこもる青春時代。
激動の人生を歩むきりこと、周囲の人たち(と猫)をユーモラスに描いた、とってもばかばかしいようで、まじめなお話です。

きりこのサクセスストーリーともとれるようなお話ですが、人間の本質にもふれた、とても哲学的な小説です。
きりこの飼い猫ラムセス2世は人間もよりもIQが高く、きりこと意思の疎通が図れます。
これだけハチャメチャな話をクールな目線で淡々と語り、ユーモアたっぷりでありながらも、どこか硬い言い回し。少し違和感を覚えつつ、もしや?と思ったら、この目線はやはり・・・・。
ちょっと変わってますが、面白い小説です。


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グリーン・レクイエム

グリーン・レクイエム
新井素子 著


公園のベンチに座る長い髪の女性、三沢明日香は、信彦の人生を決定した少女によく似ていた。
子供のころ、化け物がすむといわれる森で出会った、緑色の髪をもった少女は、果たして明日香なのか?

意外なことにSFでした。
光合成、食糧問題、宇宙人、などなど、予想に反する展開に驚きましたが、運命に翻弄される物悲しい生物を描いた物語でありますぞ!
他2編あります。
吸血鬼の話も、これで食糧問題解決か!なんていう展開になりそうだったり、こっちは落語のようで、短くてシャレがきいている話です。

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コーリング 闇からの声

コーリング 闇からの声
柳原慧 著

死者がでた部屋の片づけをする特殊清掃屋を営む零と純也は、依頼を受け、あるアパートの清掃をすることになった。
今回の仕事は、部屋の住人、島津恵美が自殺し、ドロドロに溶け、遺体の痕跡が残ったままの風呂場の清掃だった。
霊感がある純也は、そこで何かを訴えかけるような生前の恵美の姿を見てしまう。
ある会員制のサイトに恵美の名前を見つけた純也は、零と共に、恵美の死の真相を探るべく動き出す。


結構怖くて気持ち悪い話です。
幽霊が見えるという設定になっていますが、ホラー小説というよりはミステリ小説です。
あるサイトから、恵美のネット上の友人にコンタクトをとり、そこから彼女の人間関係を洗い出していきます。
パスワードを探り出す様子などから、サイバーものかと思いきや、やがて美容整形の話が飛び出し、狂牛病の話にまで発展していきます。
ここで語られる話がどこまで本当なのかわかりませんが、かなり怖いです。幽霊なんかよりずっと怖いかもしれません。
怖くて気持ち悪いミステリ小説が好きな人にはおすすめです。


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夏光

夏光
乾ルカ 著

利き腕を失った友人の退院祝いに、一杯やろうと、彼のアパートを訪ねた長谷川は、刺身と鍋をごちそうになる。
今まで食べたことのない味のそれを前に、友人は飼っていた金魚の話を始める。
金魚は今どこに?可愛がっていた猫は?彼はなぜ腕をうしなったのか?
食べるほどに湧き上がる食欲。そして驚愕の真実が明らかに!

短編集です。第一部に「め、くち、みみ」第二部に「は、みみ、はな」とあり、全部で6つの短編で構成されています。
なぜ一部と二部に分かれているのかがわからないのですが、どれもグロテスクな話ばかりです。
なかには悲しい話や、ちょっとだけほっとする話もありますが、それらの話もグロいです。
全部身体のパーツが関係してる話です。生々しい描写は実にお見事で、食欲をなくします。気持ち悪い話が好きなひとにおススメです。

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黒衣の女

黒衣の女
折原一 著

記憶を亡くした女。
心当たりのない大金を所持し、アドレス帳には三人の男の名前が記されていた。
自分はいったい何者なのか?
女はアドレス帳に書かれた男たちに接触を試みようとするが、彼らはすでに殺されていた。

これもまた少し難解な叙述トリックで、どこが始まりで、どの描写が誰のくだりなのか、よくわからなくなり、混乱します。
最後に真相について解説するくだりがあるのですが、これを読んでも理解するのは難しいかもしれません。
記憶をなくした女が探偵社の世話になるのですが、この人たちがやけに個性があるわりに、あまり本編にかかわりを持たないので、彼らを主人公にした話があるんじゃないかと思って探しましたが、わかりませんでした。あったら読んでみたいな。

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