桜の木の下で

本の紹介をしています。

 
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相棒

五十嵐貴久 著

時は幕末、徳川慶喜暗殺未遂事件が発生。大政奉還の阻止を目論む何者かの仕業と思われたが、この事件を解決すべく、老中板倉より選ばれたのは、新撰組副長の土方歳三。そして相棒はなんと坂本龍馬だった。



やってはいけないけどやってみたい設定ってのはあるもので、これがまさにそんな感じ。
なんといってもあの土方と龍馬が手を組んで、一緒に行動するわけですから、究極の娯楽小説とでもいうべきかも。
西郷さんも桂も、もちろん沖田も近藤さんも出てきます。
幕末好きにはたまりません。

話の筋は、将軍暗殺未遂事件がメインで、そのまま龍馬暗殺事件へと続き、函館は五稜郭での戦まで、これでもかというほど詰め込んであり、そして衝撃のラストを迎えます。
はじめからありえない設定とはいえ、ここまでやるか!というような展開です。


龍馬暗殺までは、(ありえないけど)本格時代小説のようですが、推理小説好きも十分楽しめる作品だと思います。
龍馬暗殺以降に、土方のたちまわりもありますから、そのあたりも見所です。

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月のしずく

月のしずく
浅田次郎 著

 ちょっともの悲しくも、なぜか優しい気持ちになる恋のお話。
不器用な男女の情愛を描いた7話からなる短編集です。



 こんなに切なく、そして癒された本は初めて。泣きました。
「蒼天の昴」も「壬生義士伝」も泣きましたけど、これは優しい気持ちになります。
 語りがうまいです。
1話目の月のしずくは、のっけから引き込まれてしまいました。みんな痛いくらいに不器用で優しいんですよね。おすすめの逸品です。
 

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難民探偵

難民探偵
西尾維新 著
 
就職に失敗した窓居証子は、叔父で超人気作家の窓居京樹を頼り、彼の家で、雑用をするかわりに居候させてもらうことになります。
そんなある日、京樹の友人で、警視で、ネットカフェ難民の根深陽義と知り合い、なりゆきで彼が第一発見者となった、ネットカフェでの殺人事件を調べることになります。
事件を本格的に調べ始めるまでのくだりが長く、前半部分は人物紹介といってもいいくらいですが、個性豊かな登場人物たちのやりとりは、それだけで十分楽しめるので、軽めのミステリが好きな方にはおすすめです。


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感染夢



感染夢
明野照葉 著

一家を殺害して自らも命を絶った従兄の葬儀に、親族として参列した主人公阿波隼人は、参列者の中に、見覚えのある女の姿を見つけます。
女の正体が思い出せない隼人でしたが、葬儀の直後から、隼人は悪夢にうなされるようになり、さらに恋人の理恵子までもが同じ悪夢を見ていることを知らされます。
そんな中、従兄の葬儀でみかけた女が隼人のマンションの隣の部屋に越してきます。
一家を惨殺した従兄の謎の行動のうらに、女の姿があったことを知った隼人は、理恵子とともに、その女の正体と事件の裏に潜む秘密を調べ始めます。

この物語は、大分県のある山間の林道工事で、古びた社を壊し、なにやら封印らしきものが解かれてしまうところから始まります。
社にはいったい何が祭ってあったのか?長い年月を経て解き放たれた怨念の正体とは!

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死神の精度

伊坂幸太郎 著

 不慮の事故など、人間が予想できない死に対して可否の判断を下す「死神」が主人公です。
人間界では千葉と名乗り、死の一週間前から、対象者に接触し、調査を開始します。
調査といっても、死神は人間の死に特別な感情を抱くこともなく、また人間に対しても興味を持つことはありません。したがって、ほとんどの場合「可」、つまり対象者の死を決定します。
 本作品は、6篇が収録されており、6人の対象者の最後のときを、死神である千葉のクールな目線から描いています。



ハマりました。面白い。
死を目前にした6人の身に起こっていることを、淡々と描いていますが、なにしろ人間のことに疎い死神ですから、対象者と会話がかみ合わず、いちいち笑えます。
しかし話はどれも面白いものばかりで、各話冒頭から話のもっていき方が実にうまいので、簡単に引き込まれてしまいます。
 執拗にクレームの電話をかけてくる謎の人物に悩まされる若い女性。
 任侠道に生きる不器用な男。
 雪山の洋館で起こるミステリ小説さながらの殺人事件。
 好きな相手からストーカーと間違われた若者。
 などなど。

6話に時の流れと、つながりを感じさせる部分もあり、最後まで読むと面白さがさらに増します。
おすすめの逸品です。



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